山田瑛之教諭20進路指導部長(資料:北海道経済部「令和6年度 就業環境実態調査結果」)北海道経済部北海道北海道夕張高等学校夕張高等学校& FactData10203060(%)(資料:北海道経済部「令和6年度 就業環境実態調査結果」)4050 「研鑽」「自主」「礼儀」の校訓のもと、夕張の歴史と共にその歩みを進めてきた北海道夕張高等学校(北海道夕張市、濵村隆康校長)は、令和8年に創立90周年を迎える伝統校だ。「チャレンジ・モア・スピリット」を合い言葉に生徒たちの挑戦を後押しするなど、一人ひとりの希望進路の実現を支えてきた同校の進路指導部長・山田瑛之教諭に話をうかがった。●就職に備えて情報収集を支援夕張高等学校は、地域の協力を得て「対人関係能力」能力」を併せ持つ「意欲と主体性の高い」人材育成に取り組んでいる。進路指導においてもその人材育成につながるサポートが充実しているのが同校の特徴といえるだろう。特に、就職に関する指導は、生徒が希望の進路に進めるように段階的にサポートしている。1年次には「就職に関する知識を増やすこと」を目的に進路行事を進めている。高校1年次の段階で認識している職業や業界というものは、保護者の仕事や学校の教師、あるいはコンビニエンス・ストアの従業員など、自身の生活圏内で目に見えるものがほとんどだ。そのため、まずは必要な情報を知るところからス北海道経済部は1月20日、「令和6年度 就業環境実態調査結果」を公表した。この調査は、道内の民間事業所における勤労者の就業環境の実態と動向を把握し、今後の就業環境改善施策を推進するための基礎資料を得ることを目的に実施したもの。今回は495の事業所から回答を得た。調査結果によると、全労働者のうち「正規雇用労働者」は60.5%、「非正規雇用労働者(正規雇用労働者以外、以下同)」は39.5%だった。業種別による非■全労働者の内訳(合計)「考え抜く能力」「業務遂行タートする。例年11月に実施する「お仕事スタートアップガイダンス」では、1〜2年次の生徒が、必ず一人4社は参加企業の担当者の話を聞くように徹底。生徒には事前に興味のある企業の調査を行い、4社のうち2社は希望の企業、残り2社は担任教諭と進路指導部の教員が相談し、生徒の特性に合った企業に割り振っている。家庭の都合なども配慮するといい、例えば、道内移住の予定がある生徒に対しては、移住先に近い企業の説明を聴講させるなど、生徒の環境を念頭に指導を推進する。生徒たちの進路選択に望ましい効果があるよう個別に対応することで、より多くの業界や職種を知ってもらうように心がけているという。そのようにして企業や業界に関する知識を得た後、正規雇用労働者の割合は、「製造業」の60.8%が最も高く、以下「宿泊業、飲食サービス業」58.5%、「生活関連サービス業、娯楽業」53.8%と続く。一方、非正規雇用労働者の割合が最も低いのは「情報通信業」の11.3%で、次いで「建設業」13.0%、「学術研究、専門・技術サービス業」19.0%だった。労働時間制度に関する結果を見てみよう。「1週間当たりの平均所定労働時間」は38時間34分で、前回より34分減少した。1週間当たりの「40時間以内」2年次から3年次の夏季休暇前にかけては企業見学参加を促す。高校の入学試験期間中や春季休暇を活用したり、見学可能日が平日の場合でも申請をすれば公欠扱いにしたりするなど、生徒の就職活動を全面的にバックアップする体制が整っているのが心強い。●主体性を磨いて進路活動進路指導を行う上で同校が非常に大切にしているのが、生徒の主体性だ。「総合的な探究の時間」を筆頭に、夕張市での除雪ボランティア等で自ら行動する生徒が一定数いるほか、同校のSNSアカウントで生徒主導で広報活動が行われることも珍しくはない。しかし、そうした活動を履歴書や志望理由書、面接などに活かせることに気がついていない生徒が少なくないことが残念だ。もちろんそれが目的ではないものの、そのような時には、生徒の努力や活動自体が進路活動におけるアピールポイントであることを示すのも間当たりの平均所定労働時間は「生活関連サービス業、娯楽業」の32時間30分が最短で、「製造業」の48時間11分が最長だった。休日・休暇制度の観点から週休2日制の現状について見てみると、週休制の形態のうち「何らかの週休2日制を導入している」とした事業所の割合は81.4%だった。内訳は、4週間で8日以上の休日がある「完全週休2日制」が41.2%。「完全週休2日制より多い」が10.2%、「その他の週休2日制(月3回、隔週、月2回、月1回など)」が所定労働時間30.0%となっている。また、年次有給休暇の平を達成してい均付与日数は17.0日、平る事業所の割均取得日数は10.9日、平合は92.9%で、均取得率は64.1%だった。前回より0.7㌽業種別で平均付与日数が最低下した。業も多いのは「製造業」の種別では、1週21.4日で、反対に「宿泊業、教員の役目の一つだ、と山田教諭は語る。また、2社以上の企業見学へと導くのは、一社目の企業だけで判断するのではなく、比較対象を作ることで自分の希望を明確化して、履歴書や志望理由書の作成に役立てて欲しいからだ。気がかりなのは、企業見学やオープンキャンパスに積極的に参加する生徒がいる一方、不安や緊張からなかなか行動に移せない生徒がいる現状があることだという。そうした生徒がゼロからイチへと歩みの一歩を踏み出すことができるよう教員が寄り添っていく。●一人ひとりに向き合う指導の徹底3年次への進級後、生徒数名に対して教員一人が進路指導を行う体制へと移行する。最初の面談で生徒の強みをハッキリさせることが大切であると持論を展開する山田教諭。場合によっては希望の就職・進学先を選んだ理由を一緒に話し合い、ホワイトボードに書き出すことで、生徒の進路にとって大事な部分を明確にするように努めていると明かす。「在校中の活動を言葉にすることが難しい生徒もいるため、初めにアピールポ■働き方改革の取組内容(複数回答)業務体制・業務内容の見直し半日単位・時間単位の年次有給休暇の付与生産性向上のための設備投資年休取得率・取得日数の向上に向けた目標設定管理職による長時間労働削減、有給休暇取得の働きかけ変形労働時間制やフレックスタイム制の導入時間外労働の事前申告制時差出勤の導入テレワークの導入非正規雇用労働者の正規雇用の促進「ノー残業デー」又は「ノー残業週間」の徹底深夜労働を含む時間外労働の禁止勤務間インターバル制度の導入長時間労働抑制に向けた管理職向け教育勤務時間限定正社員制度の導入勤務地限定正社員制度の導入職種限定正社員制度の導入その他飲食サービス業」の11.4日が最も少ない。人手不足等の状況に関する問いの中で、常用の正規雇用労働者が「不足している」と回答した事業所は49.1%だった。前回調査より8.8㌽低下してはいるものの、依然として半数近くの事業所が人手不足にあるようだ。人手不足解消のための取り組みとしては、「未経験者・未就業者の積極的採用」の45.2%が最多で、以下、「正規雇用労働者の募集時賃金の引上げ」41.2%、「定年の延長、イントを明確にすることで、自信を持って志望理由書の作成や面接などにも役立てることができます」と、山田教諭。それまでの取り組みや生徒自身の考えをアウトプットする機会を設けることで、自己理解が高まり進路活動に活きてくるのだという。また、教員と生徒の距離が近いことも、夕張高校の進路指導の大きな強みの一つだろう。生徒側に立てば、「先生相手だからこそできる相談」など、自分に親身になってもらえる環境が整うのと同時に、教員にとっても「生徒との距離が近いからこそ可能な指導」など、いずれの立場からしても、その間が極めて近いことがうかがえる。生徒が未来を目指して懸命に考え、いまを生き、自ら描いた第一志望の実現を精一杯支援していく夕張高校。生徒一人ひとりに寄り添い導く同校の取り組みに今後も注目したい。定年退職者の継続雇用」38.8%と続く。令和元年より順次施行されている「働き方改革関連法」だが、本件調査において、働き方改革に「既に取り組んでいる」または「取り組むため検討中である」とした事業所は56.4%という結果となった。内容としては、「業務体制・業務内容の見直し」が54.8%と最多。次点には「半日単位・時間単位の年次有給休暇の付与」の47.1%がつき、働きやすい環境を整備している事業所が少なくないと言えそうだ。北海道第71号キャリア&就職支援ジャーナル高等学校版https://daigakushinbun.com/25.123.918.918.517.013.912.711.210.83.53.12.31.90.80.41.954.847.1非正規雇用労働者(正規雇用労働者以外)39.5%正規雇用労働者60.5%パート 21.7%契約社員 5.0%アルバイト 4.7%嘱託 4.3%派遣1.0%その他 2.9%北海道2025年2月28日(金)道内495事業所の就業環境の実態を調査約6割が働き方改革実現に向けて前向き知識を身につけ進路の幅を広げる知識を身につけ進路の幅を広げる生徒の強みを把握し活かすのが要諦生徒の強みを把握し活かすのが要諦主体性を主体性を活かす活かす進路指導就業環境の現状経済部道内道内就業環境の北海道北海道
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