8?「高校をどのように訪問すれば……?」「採用ルールが分からない……」「ノウハウがない」「高校生や先生方に自社を認知されたい」 …… etc.□公認会計士の独占業務でPublic Off ering、新規株式し、完成された組織の経営者の考えにふれたことは、貴重な経験でした。ところが、私はここで、ある監査は感謝されにくい仕事□だということに気づきました。公認会計士は税理士同様に節税などの顧客に喜ばれるアドバイスもできます。しかし、監査法人を利用する規模の顧客企業では、税務は税務の専門家に任せていることが多い現実がありました。公認会計士は顧客企業の会計処理が正しいかどうかをチェックするほか、固定資産の価値などについて第三者の立場から解釈や意見を表明します。膨大な作業の中で出てくる間違いや資産価値の再評価を指摘する仕事であるため、どうしても顧客企業からは感謝されにくくなります。それよりは、自分の力を活かしてより社会貢献できる仕事がしたいという気持ちから、勤めていた監査法人を退職しました。転職したのは、「働く人のライフスタイルを豊かにする」をミッションとするスタートアップです。当時は30人ほどの規模でした。私はコーポレート部門の責任者として、そのスタートアップのコーポレート部門の立ち上げからIPO(Initial 上場)の準備、資金調達に至るまで、あらゆることに関わりました。その後、退職・独立してフリーランスとして事業再生等に携わりました。そうした経験から見い出した共通のテーマが、現在の仕事につながる取締役会や経営会議などにおける実務課題の解決でした。そこからミチビク株式会社の創業へとつながり、いまは毎日、仲間と一緒に懸命に頑張っています。スタートアップで代表取締役CEOを務めることは、やりがいがあると同時に想像以上の大変さがあります。私が子どもの頃に考えていた□経済的・時間的な自由を持っている社長像□とは全くかけ離れています。いまの私は事業の全責任を負う立場で、投資家の方々の期待に応えるためにも、誰よりも頑張らなくてはなりません。頑張ることができているのは、社会的意義が大きい取り組みだという信念があるからだと思います。目指しているのは、当社の「michibiku」のサービスを国内の全上場企業に使っていただくことです。上場企業の意思決定の質が良くなれば、業績も株価も伸び、グローバルな場での日本の存在感が向上し、より豊かな未来につながっていくはずです。また、今後の事業展開の目標としては、AIなどのテクノロジーを活用しながら、チャンスのある周辺領域に事業を広げたり、人が介在しなければ難しい領域にはコンサルティングサービスを提供したりすることも考えています。それらが、日本社会と未来を担う子どもたちや若い人々の希望につながったら素晴らしいですよね。高等学校と信頼関係を築いてきたキャリア教育支援協議会では、企業の採用活動を全力でサポートしています。『高校新卒採用パーフェクトBOOK』は、大学新卒者採用に比べて分かりにくいとされる高校新卒者採用に関するノウハウとルールのすべてが凝縮された一冊です。これから人生を切り拓いていく若い人々には、失敗を怖がらないで欲しいと思います。私の信条は、アクションを先行させること。座学より現場での学びを優先しますし、実践する中での小さな失敗はどんどんすべきと考えています。大きな失敗は避けたいものですが、小さな失敗は成長スピードを加速させます。ですから、経営の知識やノウハウも現場で得て、実践して失敗しながら学んだほうが良いという考え方です。自分を分析すると、私は、割と努力型の人間だと自分では思っていて、高校時代は学校に通いながら、ひと月に160時間程度、アルバイトとして働いていました。そこでは上下関係を含めて、いろいろなことを学ばせていただきました。最初の職場でも肉体労働や夜勤など、大変な環境ではありました。しかし、それらは働く上で、ある意味避けて通ることができない部分であることを特に若い時に認識できて良かったと思っています。そうした種々の経験から、私は肉体的な体力や精神的な胆力からなる「実行力」を獲得できたのだと思います。監査法人で勤務していた頃も、繁忙期は朝7〜8時から翌日の午前3〜4時までの勤務が1カ月間以上続くことがあり、それも実行力があったから乗り切ることができました。とりあえず物事を前に進める実行力を身につければ、働くべき時にしっかりと働けるため、3〜4倍の成長が可能になります。それが周囲の信頼を得ることや、自分自身のスキルアップにつながりました。ITやデジタル機器が生まれた頃から当たり前だった若い人々の中には将来を考えた時、「AIが話題だから、いまから学ばなければ」と考える人がいるかもしれません。しかし、「エンジニアとして技術を究めたい」といったケースでない限り、あまり意識しなくても良いのではないでしょうか。どれほど新しい技術や情報にアンテナを張っていたとしても、やはり最後は結果が出るまで粘り強く実行できるだけの体力・胆力がなければ、目指すものをつかむことは困難だと思うからです。ですから若い時期には、何よりもまず自分の成長につながる環境に身を置き、体力・胆力からなる実行力を身につけて欲しいと思います。大切なのは、ハードだからと敬遠せず、選択できる範囲内で、最も難易度の高いところに挑戦をして、そこで常に結果を出すことを意識して目標を達成するまであきらめない姿勢です。現代は、そうした気概によって、出身学歴に関わらず貴重な経験やスキルを手に入れることが可能な時代だと考えています。私は高校を卒業してすぐに働き始めましたが、難易度の高い目標に対して結果を出してきたことに意外性が生まれるのか、「すごい」と言っていただくことが多いという印象があります。近頃は自分に「高卒公認会計士」というキャッチフレーズをつけ、自社への投資を受ける際にも、初対面の相手から「高卒公認会計士というキャリアがおもしろいから投資するよ」と言っていただくなど、大学進学を安易に選ばなかったことがアドバンテージになる場合があることを身をもって知りました。高校を卒業して働くことを希望しているみなさんに向けては、自分自身の選択を上手に活かすことで、ワクワクする未来をつくっていきましょうと、エールを送ります。当社には、まだ新規学卒者を定期的に採用できるだけの体力はありませんが、私が社員の中途採用をする場合にも出身学歴は一切気にしません。あくまでもその人自身を見極めるようにしています。進路指導を担当される高校教諭のみなさんは、生徒が突拍子もなく難易度が高いことを言ってくる場面に出合うことがあるのではないかと想像します。その際、可能であれば制止するのではなく、可能性を狭めずに幅広い選択肢の提示や応援をしていただけると、生徒の未来がより広がるのではないかと思います。高校新卒採用パーフェクトBOOK実業家実業家探訪探訪座学よりも現場の学びを優先実践→失敗の繰り返しが次の一手に社会的意義がやりがいに直結事業を成長させ希望ある未来を最も難易度の高い部分に挑戦目標を必ず達成するという気概第70号キャリア教育支援協議会にすべてお任せください!高卒採用好評既刊A to Zキャリア&就職支援ジャーナル高等学校版ミチビク株式会社https://daigakushinbun.com/〒169-0073 東京都新宿区百人町2-17-24(株式会社ライセンスアカデミー内)TEL 03-5925-1659 e-mail info@s-kyogikai.comURL https://s-kyogikai.com * ウェブサイトから必要事項を入力して送信することでダウンロードができます* 編集内容・誌面デザイン等は予告なく変更・更新される場合があります新時代のスタートアップ2025年1月29日(水)1面より中村 竜典 代表取締役CEO現場の小さな失敗が自己成長のスピードを加速する『高校新卒採用パーフェクトBOOK』高校と企業を結ぶ「高企連携」を推進! 成長の秘訣は高校新卒者の活躍!!体力・胆力を鍛え、実行力につなげることが第一歩
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