キャリア&就職支援ジャーナル_第70号
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×4寒風号*2*1SMBCコンシューマーファイナンス株式会社近畿・中国・四国□生活総合支援事業etc.9九州・沖縄□学びの多様化学校etc.11グローバル□ロシアリポートvol.712「10代の金銭感覚についての意識調査2024」高校時代に身につけるお金を活かす運用スキル ●INFORMATION70『キャリア&就職支援ジャーナル[高等学校版]』は高校の先生方と民間企業・行政機関、および大学・短期大学・専門学校等を結びつけるフリーペーパーです。営業時間 平日9:00〜18:00定 休 日 土曜・日曜・祝日T E L 050-1782-5812U R L https://michibiku.co.jp/交  通 都営地下鉄「馬喰横山」駅より徒歩4分新しい技術*2 PDCAサイクル→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)」という一連のプロセスを繰り返し行うことで、業務などの改善や効率化を図る考え方の一つ。サイクルをただ回すだけではなく、少しずつレベルアップを図っていくことがポイントで、改善の好循環によって高い成果を生み出すことが期待される。「Plan(計画)PROFILEなかむら昭和63(1988)年生まれ。愛知県知たつのり●●昭和63(1988)年生まれ。愛知県知立市出身。愛知県立豊田工業高等学校(現・愛知県立豊田工科高等学校)の立市出身。愛知県立豊田工業高等学校(現・愛知県立豊田工科高等学校)の自動車科を卒業後、自動車部品メーカーに入社。その後、退社して国家資自動車科を卒業後、自動車部品メーカーに入社。その後、退社して国家資格の公認会計士を目指す。猛勉強の末、見事国家試験に合格し、大手監査格の公認会計士を目指す。猛勉強の末、見事国家試験に合格し、大手監査法人で勤務。その後、スタートアップのコーポレート責任者、フリーラン法人で勤務。その後、スタートアップのコーポレート責任者、フリーランスを経て、令和3年4月にミチビク株式会社を起業。「高卒公認会計士」スを経て、令和3年4月にミチビク株式会社を起業。「高卒公認会計士」という異色の経歴による事業展開の手腕が注目されている。という異色の経歴による事業展開の手腕が注目されている。なかむら・・たつのり「起業」と「経営」でした。人脈やお金、経験のない私が起業するための近道は何だろうと考えた時、思い当たったのが「資格」です。医師、歯科医師、獣医師、税理士などの資格を得て独立開業するか、もしくは経営者に近い立場で仕事ができないかと、インターネットで調べました。すると、医師系の国家資格は、大学に進学して卒業をしなければ取得することができず、6年間ほどの年月と高額な学費がかかるという事実に突き当たったのです。それは無理だと、税理士について調べていたら、公認会計士の広告が目に入り、「受験資格は特になく、誰でも受験できる」「合格して実務経験を積めば誰もが専門家として扱われる」とあり、監査法人への就職や開業などのキャリアパスもあることが分かりました。経営者と近い立場で働 中学生時代から「社長になることを思い描き」、高校卒業後は仕事を変えながら、そのたびに必要な知識・体力・スキルなどを身につけ、「自己を成長させてきた」という中村竜典代表取締役CEO。その信条は「座学より実践」、根底には「社会に貢献したい」という意志がある。起業したミチビク株式会社(本社東京・中央区)の事業は、上場企業等の会議のDX化を促して意思決定の質を上げること。新進気鋭のリーダーに、これまでのキャリアパスと若い世代への思いをうかがった。ミチビク株式会社は、令和3年に起業したばかりの、いわゆる「スタートアップ」です。社名および事業の軸となっている取締役会DX(デジタル・トランスフォーメーション)プラットフォーム「michibiku」の名称は、□経営を、あるベき姿に導く□という私たちのミッションを象徴しており、事業内容は端的に、取締役会の高度化と運営効率化を推進するDXサービスの提供です。具体的には、例えばICレコーダーなどで録音した取締役会や経営会議の音声データを「michibiku」にアップロードするとAI(人工知能)で書き起こしがなされます。さらに書き起こされたテキストデータから、□何の話題をどれくらい話しているか□□誰がどのくらい話しているか□□説明が多いのか議論が多いのか□など、さまざまな角度から会議の中身を□見える化□していきます。取締役会は法令で細かく規定されている重要な会議の一つです。そうすることで、自社の成長に向けて話すべき中・長期的な見通しの話が全くできていないとの気づきや、優秀な人材を雇用するための報酬設定について話ミチビク株式会社ミチビク株式会社せていないといった課題の抽出が可能になり、会議体でもPDCAサイクルす流れへと企業を支援していくことができるのです。特に、私たちの顧客は、厳格なコーポレート・ガバナンス(企業統治)を求められる上場企業やそのグループ会社が多く、不祥事や間違いが起きない仕組みづくりが重視されます。現在、日本の国内市場は飽和状態で、少子高齢化の進展が確実視されています。これまで築き上げてきた資産を元手に投資を積極的に行うことが必要だと考えています。しかし、従来の体制ではなかなか難しいのが実情です。そこで会議体の運営効率化・良質化を図ることで、上場企業の経営者層の意思決定に貢献していくというのが、私たちの事業の根幹なのです。起業したのは、私が32歳の時でした。実は中学生の頃から漠然と□将来は株式トレーダーか社長になる□とイメージしているような、少し変わった子どもでした。ただし、そこから社長業に向かって一直線だったかといえば、もちろん、そうではありません。さまざまな経験や転機を経て、現在に至っています。最初の転機は、早くも中学生の時。成長に伴い、社長になるのも簡単ではないと気づく中で、母が病気で倒れ、現実に向き合わざるを得なくなりました。そこで選択したのは、就職に強みを持つ工業高校への進学を回です。振り返ると、高校時代は勉強や部活動よりも一週間のうち6〜7日間はアルバイトに明け暮れる毎日。勉強に集中して成績を上げたのは、就職活動が近づいた頃でした。その結果、自動車部品メーカーに就職することができました。私が生まれ育ったのは、トヨタ自動車株式会社関連の企業で働く人が多い地域で、私もランドクルーザーやハイエースといった車種のボディパーツを扱う会社に入りました。仕事は、溶接や板金といった現場作業。当時の現場の工場は、夏は暑く40〜45℃にも達し、逆に冬は非常に寒い環境で、かつ昼夜勤が一週間交替でありました。就職した平成19(2007)年当時はリーマン・ショック以前の時代で自動車生産台数も多く、かなりハードでした。仕事を続けることができたのは、良い先輩方、良い上司に恵まれたおかげだったと感謝しています。ただ、社内でも公にされていましたが、年齢と学歴によって昇給・職階などが異なるという制度があり、「この年齢にならないと次の仕事ができない」「高卒者の場合は長く働いても職位はここまで」などと決められていました。若輩ながら、それを否定的に捉えてしまい、それならキャリアを変えようと、私は一念発起したのです。意識したキーワードは、ける上、数字の扱いは先々にも活きるだろうと魅力を感じて、すぐに試験勉強を始めました。公認会計士が、三大国家資格と呼ばれるほど難関で合格率が低いと知ったのは、後になってからでした。私は会社を辞め、1年間分の生活費と学費の貯金を元手に、一日のうち、12〜14時間を勉強に費やす生活を1年4カ月間続けました。合算して4,000時間程度の勉強で、公認会計士の国家資格試験に合格することができました。公認会計士となった私が就職したのは、売上高の大きい上場企業を主な顧客とする大手監査法人です。そこで顧客企業の監査を担当   Career & Job-hunting-activities Times for High School teachers[通巻第65号]*1 スタートアップの活用や斬新なサービスなどの新規性があり、加速度的に事業を拡大する企業形態のことを指す。創業から間もない比較的若い企業でありながら、革新的なビジネスモデルで、新しい価値を創出したり従来にはない市場を開拓する力を持ったりするのが特徴とされる。高校の先生方との連携による紙面編集「michibiku」が課題を見える化顧客企業等の新陳代謝を促進高校時代はアルバイトに熱中初職は自動車部品メーカー起業を視野に難関資格に挑戦公認会計士を目指し猛勉強大手監査法人で監査に従事初めて知った経営者マインド★「高企連携」News&Topics北海道□企業理解を深めるetc.2北□地域移動支援etc.3東関東・首都圏□商業研究発表大会etc.6東海・北陸□地域産業を担う人材etc.72025[発行]1/29□社会探究シリーズ8面に続くCOVERミチビク株式会社代表取締役CEO会議の効率化・DX化から意思決定の質を高めるINTERVIEW中村竜典氏キャリアキャリア高等学校版発行就職就職

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