キャリア&就職支援ジャーナル_第69号
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(10月末)20千歳根室苫小牧網走浦河名寄留萌岩内稚内岩見沢室蘭釧路滝川小樽紋別北見帯広旭川函館札幌全道計末現在)」資料: 北海道労働局「令和7年3月新規高等学校卒業者の職業紹介状況(10月北海道労働局第69号82.3キャリア&就職支援ジャーナル高等学校版北海道労働局北海道北海道北見工業北見工業高等学校高等学校& FactData78.172.572.667.262.064.064.545.243.376.765.364.562.460.0(%)10078.976.776.88072.768.16056.24020[資料:北海道労働局「令和7年3月新規高等学校卒業者の職業紹介状況(10月末現在)」]「自主友愛」を校訓に掲げ、地域に「自主友愛」を校訓に掲げ、地域に貢献する工業高校を目指す貢献する工業高校を目指す 「自主友愛」を校訓に掲げる北海道北見工業高等学校(北海道北見市東相内町、佐藤靖尚校長)。昭和39年の開校以来、工業教育を推進し、現在は3学科を設置する。先端技術や専門知識を身につけた卒業生を数多く輩出している同校の特徴と共に、進路指導の根幹について進路指導部長・阿部裕之教諭にお話をうかがった。●専門的知識を身につける学科北海道北見工業高等学校が学校教育目標として掲げるのは、「つねによく考え自ら学び創造的に生きる、人や自然を愛し文化を高め豊かに生きる、強じんな意思と体力をつくりたくましく生きる」というものだ。地域に貢献し地域から愛され必要とされる工業高校を目指している。同校が設置するのは、「電子機械科」「電気科」「建設科」の3学科。少人数指導が充実しており、就業体験や現場実習、工場見学などを実施している。●減少傾向にある求職者数厚生労働省北海道労働局は11月29日、「令和7年3月新規高等学校卒業者の職業紹介状況(10月末現在)」を公表した。発表によれば、道内の高校を令和7年3月に卒業予定で、かつ就職を希望する「求職者数」は、前年同月から16人(0.3%)減少の4,991人だった。内訳は、男子2,923人(同80人=2.8%増)、女子2,068人(同96人=4.4%減少)という結■主要産業別道内求人数電子機械科では、機械に関する基礎的な知識を深めながら、実験・実習を通して、モノを作るために加工技術の操作を中心に学習する。電気科では、身の回りにある家電製品に欠かせない電気に関する基礎・基本を学ぶ。実習では配線の電気工事やパソコン・シーケンス制御等のプログラム操作を学び、将来のエンジニア養成を目指している。また、建設科では、日常的な暮らしをより良くするための基礎的な知識と技術を学び、2年次以降は本人の希望と適性により「建築コース」と「土木コース」に分かれ、より専門的な学びに入っていく。●3年間の進路活動と進路指導令和7年3月に卒業を予定している現3年次の進路果だった。そのうち、「就職内定者数」は3,401人(同13人=0.4%減少)。「就職内定率」は68.1%(同0.1㌽低下)で、「道内求人倍率」は3.56倍(同0.02㌽上昇)を記録した。「道内求人数」に関しては1万7,754人(同54人=0.3%増)だった。●就職環境は回復基調求人数は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の直撃を受けたのであろう令和3年3月新卒者に対内訳は、5割が就職希望で、5割が進学志望だという。阿部裕之教諭は「就職希望者が多い傾向にありますが、令和5年度と6年度は進学希望者が例年に比べて増えました。しかし、現行の2年次は就職希望が7割で進学が3割と、例年の傾向に戻りつつあります」と、明かす。生徒の進路選択に関しては遅くとも2年次の後期には第3希望まで提出するよう指導をしている。そのためなのだろう、1年次から進路に対する意識が高まる傾向にあるのだという。進路指導部では、3年間の進路活動の計画を練り上げており、毎年各学年がスタートする段階で、進路ガイダンスなどの具体的な行事等については調整を重ねる。大まかな流れとして、1年次の9〜12月は「職業研究」や「自己理解」、「適性検査」など、これまでを振り返りながら自分の長所や良さを認識し、将来像をり低下・減少している背景にあるのは、求職者数の大幅な減少で、コロナショックの直撃を免れた令和2年3月新卒と比べて2,288人、実に31.4%も減少しており、社会経済活動の動き以上に落ち込みが激しいことを如実に反映したと考えるのが妥当だろう。「主要産業」の求人数を確認すると、「建設業」が4,109人と最も多く、これに「卸売業、小売業」3,290人が続いた。就職内するそれの1定者数では、「製造業」の万5,111人559人が最も多く、以下「卸から穏やかな392人(1.8%増)がら回復基調4,109人(2.7%減)にあり、当時2,624人(5.6%減)との比較で95人(5.6%増)は、2,643人運輸業、郵便業946人(0.7%増)増で、17.5%卸売業、小売業3,290人(3.7%増)も伸びている金融業、保険業256人(5.5%減)売業、小売業」548人、「建設業」466人となった。「主要職業別」の道内求人数を見ると、「生産工程」3,834人が最も多く、「サービス」3,280人が続いた。就職内定者数で最も多かっ計算だ。一方、宿泊業、飲食サービス業1,259人(15.4%増)就職内定率と453人(3.2%増)共に就職内定1,704人(9.7%減)者数が前年よ複合サービス事業756人(37.5%増)サービス業(他に分類されないもの)1,066人(2.2%減)たのは、「生産工程」で694人。以下、「事務」535人、「専門・技術・管理」405人と続いた。最も少な描き出すようにする。今秋10月の進路活動では、社会人を招いてキャリアパスを話す「社会人講話」を実施。聴講した生徒はそれを受けて自分の中学校・高校時代はどうだったのかを振り返り、どのような経験や頑張りがあったのかを見つけ出す取り組みを行った。2年次になると、4〜5月は「探究学習」を中心に仕事に関する調べ学習を進め、8〜9月はインターンシップを通して仕事のおもしろさや難しさを学ぶ。インターンシップの準備は7月から「総合探究」の活動として着手し、11月頃にはインターンシップの実地に臨む。特に建設業では、実際にインターンシップに参加した企業に就職する傾向が強いという。12月になると「求人票・学校調べ」が週末課題として与えられ、多くの生徒がこの時期に進路を決定していく。年明けからは二者面談が始まるため、自分の選択進路をより明確にしながら具体的に目標を定める。3年次では、進路活動に向けて最終準備に取りかかるため、「進路保護者説明会」や「進路ガイダンス」■ハローワーク別就職内定率かったのは「建設・採掘・運搬」の201人だった。●求人倍率と内定率の関係に注目道内就職内定率を管内ハローワーク別で見たのが図2に掲げるグラフだ。最も高かったのは「苫小牧」で82.3%。以下、「旭川」78.9%、「室蘭」78.1%と続いた。これに道内求人倍率を対応させると、「苫小牧」2.19倍、「旭川」2.92倍、「室蘭」4.09倍だった。視野を広げ、全体から倍率が高い順にあげると、「札幌」6.20倍(道内就職内定率56.2%)、「稚内」4.47倍(同72.6%)、「岩内」4.32倍(同64.0%)となっており、就職内定率が高のほか、「面接練習」や「SPI・一般教養」など、より具体的な内容にアプローチする。阿部教諭が3年次の担任を持っていた当時は、社会人生活に向けた最終準備段階として、3年次生徒全員の漢字検定合格を目標にした取り組みを行ったと振り返る。●進路決定後も気を抜かない教育阿部教諭が懸念するのは、進路決定後に生徒の気持ちが緩み、卒業後の準備ができていないことが少なくない点だ。「自身の就職先や進学先が決まったからと油断をするのではなく、基礎的なことを気を抜かずに最後までやりきる大切さを生徒に伝えていきたい」と、語る。また、時間数の減少という制約下における進路指導に関しても、試行錯誤しながら着実に歩を進めているという。スクール・ミッションの一つに「キャリア教育を通じ、自己のキャリア形成により、自己の在り方生き方を考え、主体的に進路を選択する生徒の育成」を掲げる北海道北見工業高校。今後も同校の進路活動に注目していきたい。いところの求人倍率が必ずしも高くなっているとは限らない状況があるため、興味深い対比関係になっていると言えそうだ。COVID-19が、収束を予感させるほど抑制され、社会経済活動が円滑に回転したため、今後の人材争奪戦はより激化するだろう。また、個別企業による職業体験や就職内定者に対するサポート体制の強化、インターンシップの受け入れ体制の充実化などで、高校生の就業観・職業観に好ましい変化も期待されるだろう。人手不足が深刻化している現在、高校新卒者に対する需要はますます広がりを見せている。https://daigakushinbun.com/農・林・漁業建設業製造業情報通信業医療、福祉その他804人(3.2%増)サービス業その他804人(4.5%)(他に分類されないもの)1,066人(6.0%)複合サービス事業756人(4.3%)医療、福祉1,704人(9.5%)生活関連サービス業、娯楽業453人(2.6%)宿泊業、飲食サービス業1,259人(7.1%)卸売業、小売業3,290人(18.5%)金融業、保険業256人(1.4%)農・林・漁業392人(2.2%)建設業4,109人(23.1%)合計合計17,75417,754人人製造業製造業2,624人2,624人(14.8%)(14.8%)情報通信業95人(0.5%)運輸業、郵便業946人(5.3%)生活関連サービス業、娯楽業北海道2024年12月27日(金)高校新卒予定者の就職内定率68.1%高い求人倍率、札幌6.20倍、稚内4.47倍職業研究で理解を深める進路活動職業研究で理解を深める進路活動進路決定後も気を緩めない指導教育進路決定後も気を緩めない指導教育主体的な進路選択道内就職道内就職道内就職内定内定内定状況北海道北海道

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