3 0 株式会社リクルート リクルート進学総研「高校教育改革に関する調査 2022」報告書によると、高等学校全体の98%がキャリア教育を実施しており、キャリア教育は高等学校全体で広く取組みが定着している。 国立教育政策研究所 生徒指導・進路指導研究センター「キャリア教育に関する総合的研究 第一次報告書」(令和2〈2020〉年3月)によると、高等学校の年間指導計画に含まれている内容としてもっとも多いのは「総合的な探究(学習)の時間におけるキャリア教育」(83.9%)、次いで「キャリア教育にかかわる体験活動(就業体験活動〈インターンシップ〉やボランティア活動、アカデミック・インターンシップ等)」(77.9%)が続いている(図1)。また、教員に対しては「上級学校の理解を深める研修」(36.1%)、「キャリア教育の観点からの教科・科目等の授業改善に関する研修」(21.2%)等が行われている一方、「キャリア教育に関する研修は実施していない(実施する予定がない)」とする高校は29.5%であった(図2)。58 高等学校全体の約7割を占める普通科の進路指導はキャリア教育よりもいわゆる「進学指導」が優先される傾向にある。その教育課題について考える。■図1 高校の年間指導計画に含まれている内容 ※ 「キャリア教育の年間指導計画がある」と回答した高校 (有効回答数542校)/複数回答 高等学校(国公私立)の普通科においてインターンシップを実施している学校は、令和4(2022)年度は全体の45.9%で(表1)、専門学科や総合学科に比べて20ポイント以上低く、在学中に1回でもインターンシップに参加したと回答した生徒も6.3%に留まっている(表2)。 「キャリア教育に関する総合的研究 第一次報告書」では、普通科を「普通科進学校(就職率1割未満)」、「普通科進路多様校(就職率1割以上)」に分けたうえで、普通科がキャリア教育に対して消極的となる要因を分析している。 同報告において学校の管理職に回答を求めた調査によると、「キャリア教育の実践によって、生徒が社会的・職業的自立に向けて貴校で育成したい力を身に付けてきている」と回答した割合が普通科、特に普通科進学校において低い(図3)。 また、「キャリア教育の実践によって、学習全般に対する生徒の意欲が向上してきている」と回答した割合■図2 高校で実施した(予定含む)研修内容 ※有効回答数684校/複数回答3.73.7各教科・科目におけるキャリア教育道徳教育におけるキャリア教育総合的な探究(学習)の時間におけるキャリア教育特別活動(ホームルーム活動など)におけるキャリア教育キャリア教育にかかわる体験活動(就業体験活動(インターンシップ)やボランティア活動、アカデミック・インターンシップ等)キャリア教育にかかわる体験活動の事前指導・事後指導キャリア・カウンセリングその他キャリア教育の概要や推進方策全般に関する研修キャリア教育の観点からの教科・科目等の授業改善に関する研修キャリア教育の評価に関する研修キャリア・カウンセリングの実践に関する研修上級学校の理解を深める研修職業興味検査や職業適性検査など、諸検査に関する研修「キャリア・パスポート」に関する研修上記以外のキャリア教育に関する研修キャリア教育に関する研修は実施していない(実施する予定がない)02018.618.622.722.74.44.4406080100(%)38.638.683.983.971.271.277.977.959.659.6102040(%)18.118.121.221.24.54.536.136.113.013.07.37.312.612.629.529.530普通科高校のキャリア教育の現状普通科におけるキャリア教育の課題普通科高校における進路指導 ・キャリア教育の現状
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